概要
財政出勤や金融政策で、真水(見せ金や付け替えではなくて実質的にプラスになるお金)を国民に供給すれば、日本経済は持ちこたえられる。
どれだけの真水が必要か。それは失われたGDP分だ。それが供給できれば、日本は必ず復活する。この本はその明るい未来の道標。
GDPの推移
日本のGDPの推移は、2019年10−12月期は−7.1%。2020年1−3月期は−5%程度。そして4−6月期は−25%程度の予想。だから2019年10月から2020年6月の累計は−40%弱となる。
GDPが4割近くも落ち込むと、日本では失業率が4%程度増え、失業者は300万人程度も増えることになる。そうすると、自殺者は増加し、1万人の規模になると予測される。
基金
国債発行枠を増やし、100兆円基金を作っておくことを筆者は提唱している。100兆円あれば、緊急事態宣言が長引いても、予算に困る事はない。
一人当たり10万円の給付も、2回、3回にわたって行うこともできるし、中小企業の休業補償も手厚くできる。
消費税5%
国内消費を活性化させるには、消費税減税がふさわしい。5%まで引き下げれば、消費マインドを盛り上げる。
2023年10月1日からインボイス式に消費税は変わる。その時までは、5%のままでインボイスの定着を見て、その後に消費税率を10%へと段階的に引き上げるのは、政策論としてありえる考え方。
オリンピック
オリンピックの経済波及効果は32兆円にも及ぶ。ラグビーワールドカップの4372億円とは桁二つ違う。
観客動員数は1000万人だ。東京に集中するが、ラグビーワールドカップの184万人の5倍以上だ。
関西大学の宮本名誉教授による東京オリンピック・パラリンピックの中止と延期に伴う経済損失の計算がある。それよれば、延期の場合は6408億円の損失が発生するとなっている。
だが、それでも中止になった場合の約4兆5151億円に比べれば、大した事はない。
また、オリンピックは今後のインバウンドのきっかけにもなる。
日本は、もっと世界各国からインバウンドを求める必要がある。
リスク分散は大切である。利益の多様化は、観光業においても、世界的なリスクが高まっているなか必要な施策である。一つの国に頼りすぎるのは危険である。各国が人が集まるオリンピックは、リスク分散のいいきっかけになる。
まとめ
2020年7−9月期のGDPはプラスに転じるだろう。消費税増税の2019年10−12月期からコロナ禍が続いた2020年4−6月期が悪すぎたから、プラスにならなければおかしい。英語の市場関係の言葉として、デット・キャット・バウンスというのがある。死んだ猫でもたたきつけると弾むという意味で、最悪時の後は市場ははね上がることをいう。
もし、そうならなかったとしたら、それは政府の経済対策がショボすぎる。大胆な経済対策が必要である。