概要
数学的思考や数理的発想を身につければ、世の中に蔓延する曖昧さや偽情報といったものを見に抜くことができる。
➡️数学的思考は武器になる。まず本書で基礎を。
会計
会計の知識を持って財務関係の書類を見ると金の流れがわかる。
金と権力はつながっているから、金の流れが分かれば権力関係も見えてくる。
お金の流れをということを考えたとき、2種類の表がある。
BS
決算時にその企業が負債および資本、そして資産、純資産をまとめた表。
PL
1年間にその企業がどのくらい収益を得て、どのくらいのお金を必要経費などに使い、結果どのくらい利益が出たかをまとめた表。
借金=悪ではない
企業は事業に必要な機械を購入したりするなど、借りたお金の使い道は様々だが債務を負うことで資産を得る。
では負債を持つことは何の問題をないかというとそれは違う。ならば資産が多ければ問題がないかというとそれも違う。
➡️重要なのは負債と資産のバランスである。
当たり前の話であるが、資産から負債を引くと純資産となる。資産の大きさや負債の大きさが問題でなく、純資産がプラスかマイナスかが問題である。
経済
一言で言えば経済とは需要と供給の話である。一般社会で知っておくべき経済を理解するには、一つの図を知っておくだけで事足りる。
➡️バッテン型した需要と供給の図である。
需要
線が右下がり。なぜ右下がりかと言えば消費者はより安く買いたいからである。値段が安いほどより多く買いたいから右下がりである。
供給
線が右上がり。なぜ右上がりかというと生産者はより高く売りたいからである。値段が高いほどより多く売りたいから右上がりである。
あるポイントでクロスする。これが経済を知るための万能ツール需要と供給の図である。
書い手:消費者にとっては値段が低くなるほど買いたい個数が増える。
売り手:生産者にとっては値段が高くなるほど売りたい個数が増える。
価格はより多くの消費者とより多くの生産者が納得できる価格に落ち着くことになる。その落ち着く地点を指しているのが、需要と供給が交わったポイントである。
➡️モノの価格はどうやって決まるのかの答えである。
ミクロ経済学は個人や一つの商品・会社・業界など個別の案件の経済について考える学問である。一方、社会全体の経済活動を考えるのがマクロ経済学だ。
ミクロ経済とは個々の商品、個々の消費者、というに狭い範囲の経済活動を考えるということである。
マクロ経済で需要といった場合には、世の中全体のすべての需要を足した総需要である。供給といった場合には世の中の供給を全て足した総供給だ。
総需要と総供給が世の中全体の物価を決めるというのがマクロ経済である。
統計
統計というものの目的は二つある。
一つ目は人々の経験を要約してそれによって人々がその本質を理解できるようにすること。二つ目は要約された事実に基づき、その他の状況、将来の状況においてどのような結果が得られるのかを推計・予測することである。
海外では官公庁も民間企業も共に統計専門家は高給取りになっている。しかし日本政府では、統計専門家はノンキャリアで出世しない地味なポストである。有用なデータが流通するためにはその品質が重要である。国家統計はその中でも最高のものとされている。しかし、データは21世紀の石油などと言われながら、その実は官僚の世界は数字の専門家の重要性がわからない世界であり、そのために統計職員および統計作業が人員削減・費用削減の矛先となっている。
確率
将来を推測するということの代表的な形が確率の算出である。
客観確率とは事象が起こる頻度に依存する確率である。
例えばサイコロを無限界の回数で振ると6つ目が出る確率は6分の1というものだが、これはサイコロが正確な正六面体など理想的な環境の中で振られることを前提としている。
➡️数学的確率などと呼ばれる。
しかしこのままでは現実に応用できない。そこで現実に起こったことあるいは起こっていることの統計データを収集して、そこで特定の事象を起こる頻度を調べて確率を求める方法をとる。
➡️頻度主義という。
➡️これら数学的確率や頻度主義を客観確率という。
例として、上司から成功の確率は問われた時、多くの人は9割方大丈夫ですというような答え方をする。これは何かのデータに基づいて9割という数字を算出しているわけでない。つまり主観である。
このように、特定の事象が起こる確率は〇〇%だと思いますという、人間の心理の中にあるものを確率としてとらえる考え方
➡️主観確率という。
まとめ
かなり重要な部分もあったが、かなりの文章になりそうだったので結構切った。
とにかく数理的思考を身につければ騙されにくくなるはずである。