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『3年後に世界が中国を破滅させる 日本も親中国家として滅ぶのか』 感想

 

 概要

コロナ後の複雑な世界情勢を読み解き日本の進むべき道を教えて余りある一冊である。

 

ソ連崩壊

一時は世界を制覇するかの勢いを見せたソ連も、人間でいえば74歳で寿命を終えた。ロシア革命が1917年、ソ連崩壊が74年後の1991年である。

 

史上最大の脅威

ナチスには海軍力がなく、ソ連には経済力がなかった。しかし中国はその両方を兼ね備えている。文明史上最大の脅威である。

 

中国外交

中国外交は、野望を隠して相手を油断させ、利用していく鄧小平以来の韜光養晦(とうこうようかい)戦術を捨て、露骨に脅しつけ、嫌がらせをし、平伏させる戦狼外交へと変貌を遂げている。

戦狼精神は中国国営メディアの命名で、人民解放軍特殊部隊の元隊員がアメリカ傭兵部隊などを相手に戦う映画シリーズに由来している。

 

先進ファシズム

現代中国は非常に危険な段階に入った先進ファシズム体制と言える。

ファシズム国家主義的な独裁を永遠の統治原理としつつ、資本主義のエネルギーを抑圧体制活性化のために用いるイデオロギーと定義できる。

資本主義のエネルギーを圧殺するのではなく、利用し奉仕させる。これが、ファシズムが自らを共産主義より開明的かつ先進的と誇る点である。

中国も経済発展すれば徐々に自由民主化する、だから積極的に成長を支援すべきという発想は過去半世紀における最大の誤りであった。

一党独裁ファシズム国家を経済発展させれば、先進ファシズム国家に変貌するだけである。

 

香港国家安全維持法案

2020年6月30日、全人代常務委員会が香港国家安全維持法案を全会一致で可決、即日試行された。

同法は非常に広範かつ曖昧な内容である。例えば、最高無期懲役など懲罰が科せられる国家分裂を煽る行為には、香港独立を主張した場合だけでなくその他の地域すなわちウイグルチベット、台湾の独立を支持する言動も含まれる。

また外国人が外国で中国政府や香港政府に憎悪を募らせる言動をしたり香港または中国に対する制裁を唱えたりした場合も処罰対象となる。

 

普通選挙

人口14億人の中国で普通選挙を実施すれば大変な混乱に陥ると強権体制を擁護する向きがあるが、ほぼ同人口のインドで現に民主選挙が実施されている。インドでできて中国にできない理由はない。

 

プロパガンダ

中国が北朝鮮体制崩壊を望まないのは、難民の大量流入が恐れるためと解説する人がいる。これは中国発のプロパガンダと見なければならない。難民対応が難題となるのは、人権を重視する国に限られる。中国政府の場合、躊躇なく物理的暴力で難民の流れをせき止め、追い返すだろう。現に国連難民条約に違反して、脱北者を強制送還し続ける。

 

台湾

安全保障面でも台湾は重要な結節点の位置である。これは朝鮮半島と比較すると分かりやすい。

北朝鮮が現体制崩壊後に中国の支配下に置かれ、中国軍が北の港を利用することになっても、さらには韓国の左翼政権が米韓同盟を離れて中国の傘下に入ったとしても、日本列島、琉球諸島、台湾、フィリピンと連なる線で蓋をされる状況が続く限り、中国海軍は行動を把握されずに太平洋に出ることが難しい。

 

ファーウェイ

目下の主戦場は情報通信である。ここで中国が覇権を握れば、サイバー空間の支配に加え巨額の軍拡資金、工作資金が流れ込む。

この点、日本政府の初動は欧米諸国に比べ早かった。英国政府が5Gシステムからのファーウェイ排除を決めたのは2020年7月だが、安倍政権は2018年末に、名指しこそはしないものの、実質的に政府調達からファーウェイを閉め出す方針を決めている。

 

国連人権理事会

実際の国連人権理事会は、人権問題の追求をむしろ阻害する存在となっている。

国連の組織において、加盟国全体に経済制裁を義務づけ、さらには軍事制裁への参加で呼びかける決議を行えるのは安全保障理事会のみである。

したがって重大な人権蹂躙は安保理で取り上げてこそ意味がある。しかし中国が拒否権を盾に、安保理は安全保障問題を議論する場であり、人権問題は人権理事会で取り扱うべきと主張する。ところが人権理事会は理事国に関わる問題は取り上げないという不文律のもとで運用されている。

要するに、まず事案を制裁権限を持つ安保理から制裁権限を持たない人権理事会に追いやった上で、メンバー国の事案は取り上げないという不文律を盾に握りつぶしていくことという意味に他ならない。

 

アンティファ

アンティファは極左思想を持つ個人、グループの緩やかな連合体で、従来からある種々の反体制過激派とBLMのスピンアウト・グループとが混淆したものである。SNSで連絡を取り合いながら、彼らが人種差別的、ファシスト的とみなす集会や構造物に向けゲリラ的にテロ・破壊活動を行う。黒シャツや黒マスクをユニフォームとし、共通のロゴを用いる点で一体性を持つが、全国レベルの指導部や指揮命令系統があるわけではない。

 

拉致問題

トランプは、金正恩との米朝首脳会談の場で、日本人拉致問題の解決を繰り返し迫っている。傍にいたボルトン前安保補佐官もトランプは日本に対する約束を果たしたと回顧録に記している。

 

大統領継承法

現行の大統領継承法では、大統領と副大統領が共に死亡ないし職務不能に陥った場合、下院議長が大統領職を継ぐことになっている。

アメリカでは副大統領のことを、ややシニカルに大統領職から心拍一つ分離れた人物と呼ぶ。大統領の心臓が鼓動を止めた瞬間、副のタイトルが外れ、大統領になるという意味である。

ちなみにアメリカでは大統領と下院議長がしばしば所属政党を異になる。

 

 

ボルトンが高く評価

北朝鮮問題に関し、ボルトンが最も高く評価するのは、日本の拉致被害者家族会である。

2019年5月27日、令和最初の国賓としてトランプ大統領が訪日し、家族会と面談した。ボルトンも同席している。家族の人々はトランプを前に遠回しな言い方はしなかった。ある人は北朝鮮はあなたに嘘をつき騙そうとしていると言った。

その通り、よく言ってくれたという思いが行間から伝わってくる。

 

レーガン

ソビエト連邦崩壊の過程は、現代中国の行方を考える上で多くの参考資料を提供してくれる。悪の帝国ソ連を崩壊させた最大の功労者の一人、ロナルド・レーガン米大統領は勝つことによって冷戦を終わらせるが口癖だった。我々が勝つ。彼らは負ける。それが私の冷戦戦略だという単純ながら本質を突いた言葉もレーガンにはある。

レーガンの冷戦戦略を以下のように要約できる。経済的に締め上げて、ソ連のレジーム・チェンジ(体制転換)を追求する。ソ連指導部の反発を顧慮(こりょ)せず、人権問題で真実を語る。力を通じた平和である軍拡競争で相手を疲弊させることも含め、軍事力でソ連を圧倒する。ソ連のテクノロジー窃取(せっしゅ)ネットワークを破壊すべく、カウンター攻撃を実施する。

 

政治家の定義

選挙を意識という言葉は、政治家を貶めたいときによく使われる。しかし選挙を意識しなくてもよいのは、習近平金正恩のような独裁者だけで、民主国家の政治家なら当然、選挙を意識する。選挙を意識する人間が政治家の定義である。

 

下記書籍の参照