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『日本を滅ぼす岩盤規制』 感想

 

概要

本書は岩盤規制に大きく切り込んで、実情を炙り出すために書かれた。マスコミが触れない既得権の闇を白日の元に晒し、その巨悪の消滅を願って戦いに挑む。自由な経済こそが国民を豊かにし、国を強くする。

 

NTTのミス

1990年代前半の携帯電話デジタル化の初期段階(2G移行)で、NTTは大きなミスを犯した。それは当時世界標準であったGSM方式ではなく、日本の独自規格であるPDC方式を採用してしまったことである。この環境下で、携帯端末メーカーは独自の進化、いやガラパゴス的に進化を遂げた。いわゆるガラケーの誕生である。

 

比較審査方式

総務省は比較審査方式という非常に分かりにくい割り当て制度を長年続けてきた。この方式は、まず電波の割り当てを希望する業者が使用計画や基地局整備計画などを提案し、その内容を電波監理審議会が審査する。審議会は審査を経て答申を出し、割り当ての優先順位が付けられる。

携帯電話やスマートフォンが繋がりやすいプラチナバンドの帯域についても、総務省は比較審査で割り当て業者を決めてしまった。もし日本で電波オークションが実施されれば、電波利用料は数十倍から100倍に跳ね上がるという。

つまり、三大キャリアは総務省の裁量によって、プラチナバンドをタダ同然で手に入れて、外国より高いマージンを乗せて売っている。

 

 

デフレの害悪

日本がデフレに戻れば、尖閣を中国に明け渡すにことになる。なぜなら、デフレになると税収が減り、それに伴って国防予算も大幅に削られるからだ。

なぜ、デフレになると税収が減るのか。そのメカニズムも極めて単純である。デフレ下ではモノが売れず、景気が悪くなる。税金は人々の所得や企業の利益に課されるため、景気が悪くなれば減って当然である。

人々はデフレになるとモノを買わないのか。デフレとは物価が連続的にマイナスになる状態であり、人々は将来的な物価の下落を予測してお金を貯め込んでしまうからだ。

これが大問題である。なぜなら、経済を大きな視点からみれば誰かの支出は必ず誰かの収入になるからである。もし、みんながお金を使わなくなれば、みんなが収入を得られなくなることに等しい。つまり、デフレになれば所得が減り続けることになる。

 

増税の影響

2014年の消費税増税前、財務省増税の影響は軽微だし、あったとしても短期で終わると豪語していた。しかし、それは嘘であった。消費支出のデータを見れば、それは明らかである。増税の悪影響により、日本経済は2016年まで一時的な足踏みを余儀なくされた。

 

国有財産塩漬け

財務省が管理する国有財産のうち未利用のものは全部で3445件存在している。単純合計で、総額4235億円である。

本来ならこれらの土地は競争入札などによって積極的に払い下げ、民間に使わせるべきである。なぜなら、その土地を利用することで民間企業が儲けを出せば、そこから一定の割合で税金が入ってくるからである。国が保有したまま利用しなければ、その土地から税収は生まれない。財務省が財政危機を叫ぶのであれば、不要な未利用地は一刻も早く払い下げるべきである。

 

減反政策

減反政策とは、農家に補助金を与えて米の政策=供給を減少させ、米の価格を上げて、農家の販売収入や農協の販売手数料収入を上げようとする政策である。

農家は補助金を受けた上で米価も上がるという利益を受ける。逆に一般の国民や消費者は、納税者負担の増加という二重の負担をすることになる。

政府がコメ価格を統制するための生産調整手段だった減反政策。しかし建前上は、2018年に減反は廃止されたことになっている。

実際は何が起きているのか。政府は食用米から家畜に食べさせる飼料米に転作することに対して補助金を増額したのである。つまり、兼業農家は今でもコメを作っている。飼料米という種類の違うコメがそれである。そして、コメを作ることで未だに補助金をもらっている。

 

テレビ利権の総本山

日本において、テレビの定義を決めている団体は一般社団法人電波産業会(ARIB)である。

ARIBの会員名簿を見ると、全国の主要なテレビ局、ラジオ局だけでなく、家電メーカー、アンテナメーカーから工事業者まで、放送分野の関連業者がほぼすべて網羅されている。要は、これこそが日本のテレビ利権の総本山であり、ARIBが決めた規格は会員企業にとっては法律と同じものになる。

 

NHKは儲けすぎている

令和元年度連結決算の貸借対照表から資産と負債の金額を引用する。資産1兆2168億円。負債4278億円。

1兆以上の資産に対して負債はその半分もない。資産から負債を引いたものが純資産だが、NHKは7890億円も純資産を積み上げていることがわかる。この金額は同時期の日本を代表するゼネコン、住宅産業、自動車メーカーや製薬会社に匹敵する。

 

生産緑地法

戦後のベビーブームがちょうど40歳代に差し掛かった時期である。その大半はマイホームを買いたいと思っていた人々である。ところが、土地価格の高騰によって彼らの夢には黄色信号が灯った。

都市部で大して農業をしていないのに農地扱いして税金を値引きする生産緑地法という悪法が1974年に生まれていた。土地価格の高騰を抑制するなら、この法律は廃止されるべきである。なぜなら、農地に宅地並みの高い税金をかけて土地を手放させることで、土地の供給を増やせるからである。そもそも、土地の価格に見合わないビジネスは退場して然るべきである。ところが、地主の利権を護るためにこの法律は温存された。

 

 

病床数が多いと医療費が高い

平成27年度の厚生労働省のデータを元に、都道府県の病床数と、一人あたりかかった医療費の相関を示した。不思議なことに、病床数が多い都道府県ほど医療費が増大している。試しに相関係数を求めてみたが、0.85もあった。通常相関係数が0.7以上あれば強い相関があると言われている。

 

日本の医療制度

日本の医療制度、特に診療報酬制度は間違ったインセンティブ設計になっている。出来高払いという制度によって、病院は利益を出すために薄利多売を強いられる。

医療サービスの消費量を増やせば増やすほど医療機関の収入は増える。つまり、一人の患者に対してなるべく多くの検査、投薬、処置を行えば行うほど、利益が増す仕組みになっている。ベッドがそれを支えるインフラである。なぜなら患者が入院してしまえば、次から次へとたくさんの医療サービスを投入できるからである。

 

激安理髪店

2007年ごろから、理容店に洗髪用の洗面台設置義務付ける条例が相次いで制定された。これは激安理髪店のQBハウスを狙い撃ちにした参入規制だったと言われている。

 

下記書籍参照