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『マンガでわかる こんなにヤバいコロナ大不況 消費税凍結とMMTが日本経済を救う!』 感想

 

概要

消費増税やコロナ禍での経済への悪影響に対して、経済対策のMMTについて解説している本書。

 

消費税10%の影響

日本経済は2019年10月1日から施行された8%から10%への消費増税によって激しく低迷することになった。名目GDP成長率は増税直後の四半期にマイナス5.8%を記録しているが、これは過去二度の消費増税の時には全く見られなかった恐るべき下落である。

2019年の時点において10%への消費増税の影響から、製造業の倒産件数は976件と前年度比の8.1%増にまでなった。

 

休業者

総務省が2020年5月29日に公表した労働力調査によると、4月の完全失業率は前月から0.1ポイント上昇の2.6%である。経済活動が落ち込んでいるというわりに失業者の増加は小幅であるように見えるが、その裏では休業者の実数値が597万人となっており、これは比較可能な1967年12月以降では過去最大の数字である。

休業者とは自営業者で仕事を休み始めてから30日未満の人や、給料の支払いを受けながら休んでいる人などが含まれ、失業者予備軍とも言える人たちである。

 

正規雇用

労働者全体における非正規雇用の割合は、1989年が19.1%であったのに対して、2018年には37.9%にまで増加。正社員との給料差額でみると、50代女性の非正規雇用者は年収にして155万円近く、同じく50代男性になると196万円も低くなっている。

 

オークンの法則

経済における経験則として、1962年に米国の経済学者アーサー・オークンの提唱したオークンの法則というものがある。簡単にいうと、実質GDPの成長率と失業者の変化の間に負の相関が見られるというものだ。

 

自殺者

失業率が上がれば自殺者が増える相関関係があることが明らかになった。消費税が3%から5%に上げられた1997年には、大不況に陥った途端に年間の自殺者数が2万人台から3万人台へとおよそ1万人も増加し、その後10年間、自殺者は3万人超で推移した。

つまり不況というものは殺傷能力は、新型コロナウイルスのそれを遥かに凌駕するのである。

 

防災から減災へ

どれだけ努力してもコロナウイルスは消えてなくならないし、リスクをゼロにすることは不可能だと考えざる得ない。

ウイルス撲滅からウイルスとの共存への発想の転換は、防災行政において近年特に言われるようになってきた防災から減災への転換と同じものである。防災は当初、災害の発生を押さえ込み被害をゼロにしようというものである。しかし、東日本大震災や超巨大台風の襲来などを得て、行政も国民もそうした災害を防ぎ切ることは無理だと気づき始めた。さらには防ぎ切るつもりでいたときに防ぎ切れなければ、かえって災害が大きくなるという逆理が存在することにも人々は気づいていった。

その結果重視されるのが被害をゼロにするのではなく、できるだけ小さくすることを目指すという減災の発想である。

 

財務省

財務省にとってプライマリーバランスの均衡こそが錦の御旗である。

しかし世界の先進国のなかで、プライマリーバランスを黒字化させようなどという政策をとっているのは日本くらいである。

IMFに発表による各国の公的部門のバランスシートを見えて、日本の借金と資産の額はほぼ同等。つまり日本の財政は現状においても健全な状態である。

 

コロナでの世界各国の対応

欧米諸国は実に様々な対策を講じた。

アメリカはGDP比で約15%にも迫る3兆ドル(約320兆円)もの国民への給付金を中心とした真水の財政支出を決め、イギリスのボリス・ジョンソン首相も総額3500億ポンド(約47兆円)の経済対策に投資すると宣言。

緊縮財政で知られるドイツでも、7年ぶりとなる新規国債を発行するなど大規模経済対策を打ち出したのみならず、消費税率の引き下げまでも発表している。

 

消費税とは

消費税とは、言うならば消費に対する罰金のようなものである。消費すればするほど税金がかかってくるのですから、増税すれば必然的に消費にブレーキがかかる。2014年4月に5%から8%へアップしたあとには、1世帯あたり実質消費は2017年までに年間約34万円も減った。

所得そのもの減っている。1997年4月に3%から5%へ増税してから2017年までのおよそ20年間のうちに1世帯あたりの平均所得は年間107万円も減少している。

 

国民負担率

財務省は2020年度の国民負担率(国民全体の所得における税金と社会保障費の負担割合)が過去最高の44.6%となる見通しだと公表している。その分使えるお金は減ることになり、この国民負担率も2012年度の39.7%から年々上がり続けている。

 

消費税増税すれば総税収は減る

消費税を増税すれば、確かに短期的には税収が増えるかもしれないが、中長期には景気が冷え込み所得税法人税も下落し、結果的には消費増税したほうが税収が減ることが予測されるのである。

1997年には消費税を3%から5%へ引き上げたことで消費税収は約4兆円増えたが、法人税が約3兆円、所得税が2兆円減るなどして、総税収は2.6兆円も減ってしまった。

 

政府がお金を刷って借金を返す

MMT(現代貨幣理論)。

この理論を理解するための最大のポイントは政府は貨幣の供給者であるということである。

お金は必要とする人や組織がいて初めて存在するわけである。われわれ国民は政府から配られた貨幣の利用者である。

政府が国民に対して国債という形の借金を作ったとしても政府が借りるお金自体がそもそも政府のつくったものですから、借金の返済時には新たにお金をつくればいいわけである。つまり、いくら国債を発行したところで基本的にデフォルトが起こることはありえない。

日本銀行の株式の55%は日本国政府が持っている、つまり、日本銀行は日本政府の事実上の子会社だということである。そうしたことから政府が中央銀行と一体的なものとして捉えたときに政府は貨幣をつくり出すことができるということになる。

日本政府は日本円でどれだけ借金しても、返済を求められたときに自分でつくって返せばそれで事足りるので破綻は絶対にない、ということになる。

 

MMTにおいて主張されるポイント

・税収ではなく、インフレ率に基づいて財政支出を調整する。

通貨発行権を持つ政府にはデフォルトのリスクや予算制約はない。

財政赤字は民間にとっての資産増であり、民間への資金供給になる。

・貨幣は税の徴収のため政府が流通させたもので、その価値は政府の徴税能力で支えられる。

・租税や公債は財源調達を目的としたものではなく、金利や国民の購買力を調達する手段である。

これらの主張の多くは従来の経済理論と大きく違わないが、財政赤字や政府の役割をより積極的に肯定しているのが特徴だといえる。

 

ハイパーインフレ

過去にハイパーインフレと呼ばれるような事態に陥ったのは、敗戦後の日本やドイツ、あるいは軍事政権が白人農家を弾圧したジンバブエ、国の輸出のほとんどを占める原油の国際価格暴落のあおりを受けたベネズエラのように、自国内に供給される物資が極端に不足する状態が生じたケースに限られている。

 

下記書籍参照