スーパースターブログ

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『ソーシャルメディアと経済戦争』 感想

 

概要

グローバルビジネスの流れを分析しなければ、政治の分析も米中経済戦争の未来も読み解くことができない。ソーシャルメディアで流れるプロパガンダは、それらの重要なヒントである。だからこそ、本書ではビジネスの視点から米中経済戦争を読み解き、私たち日本企業に従事する人間、日本に在来する日本人はどういった対抗策があるのかということを解説する。

 

電力不足

菅政権は、2030年代半ばにガソリンエンジンで走る車は、国内の新車販売をゼロにするとの目標を示した。これにより日本の自動車産業は弱体化させられ、代わりに中国製のEV製が日本へ大量に流入してくることになる。

日本自動車工業会豊田章男会長が2020年12月7日に会見したが、日本の年間国内新車販売台数約460万台がすべてEV車になれば、夏のピーク電力は10から15%不足し、原発10基か火力発電20基を追加しなければならなくなる。

 

ダボス会議

ダボス会議とは、スイスに本拠を置く非営利財団「世界経済フォーラム」が毎年1月に、スイス東部の保養地ダボスで開催する年次総会のことである。

ダボス会議は毎年、世界中から約2500人の選ばれた知識人やジャーナリスト、企業経営者や政治指導者が集まり、世界経済や環境問題など世界が直面する様々な問題について議論する。

ダボス会議で決定したアジェンダが新ビジネスのトレンドとなるので、政治家や企業家が各国に持ち帰って、それを推進する役割を果たしている。

 

グレート・リセット

私たちの権利は国民国家から与えられたものであり、世界経済フォーラムや国連から与えられたものではない。私たちに人権を保障しているのは国家であり、その国民国家をグローバリストのプロパガンダに煽動されて破壊してしまえれば、国民国家の民主主義は終焉となり、グローバリズムの民主主義という名を全体主義が始まるだろう。

そして人々を支配する国家から、企業の監視システムとなる。グローバル企業がIT技術を駆使した監視と追跡で人々を支配する。国家という概念は消え、地球上のすベての人々が国民、市民ではなくなり、ただの消費者となる。彼らはそれをグレート・リセットと呼んでいる。

 

ファーウェイ

世界監視ビジネスの中心は、トランプ前大統領が通信セキュリティ上の懸念を指摘し、制裁を与えた中国大手通信企業ファーウェイである。

中国が築き上げているデジタル監視インフラのうち、5G通信基地局、海底ケーブル、国際送電網、低軌道衛星通信、巨大データセンターの全ての分野でファーウェイの関与はかなりの割合を占めている。

 

トヨタ

中国は世界最大の自動車販売市場である。年間2500万台売れる市場はこの地球上で中国しかない。そこをトヨタが取らなければ、別の自動車メーカーに取られてしまう。その時点でトヨタの国際競争での勝負が決してしまう。

日本政府は自国産業を保護しないどころか、菅政権に至ってはトヨタの主力であるガソリン車ゼロを掲げてEV車に強い外資優遇を宣言したのだ。日本政府の政策が無策どころか害悪なのである。

 

Zoom

OS乗っ取りなどの脆弱性も指摘されているZoomを使った会議を、日本政府が省庁に対して導入を進めているあたりは、政府会議の内容を外国に聞いてほしいのかと思うほどである。

 

DX

DX(デジタルトランスフォーメーション)はITの浸透が人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させるという概念である。

DXのために5G、AI、スマートグリッド、スマートシティ、ブロックチェーンなどの技術が活用されているが、それらの技術には個人情報収集と監視という共通点が存在する。

 

デジタル人民元

ソフトバンクがデジタル決済ペイペイ、アリペイ、ラインペイで国内決済を寡占し、日本のスマートシティ構想に参画している。その目的は、ゆくゆく中国がデジタル人民元を開始した時に、デジタル人民元のための決済プラットフォームとして運用するためではないか。不気味にも、ソフトバンク、アリババなど、ファーウェイと近い関係にある企業群が日本国内のデジタル決済システムのプラットフォームを押さえているのである。

 

中国製変圧器

2020年5月28日にウォールストリートジャーナルが報じた米国ヒューストン港で押収された巨大変圧器も、ファーウェイが絡んでいた。変圧器は、送電する際に周波数を変えずに電圧を変えて送り込む機能を有しており、パワーコンディショナーと共に送電インフラには必ず必要な機材である。

これが単なる変圧器ではなく、外部から無線で操作できるというのだ。

 

LINE

LINE利用者の個人情報が、中国の関連会社で閲覧できる状態になっていることが発覚した。LINEの親会社は韓国ネイバーだ。サーバーは韓国にも置かれており、そこには画像や動画が保存されていることも明らかになった。さらにLINE Payに関連したデータやオンライン診療サービスに使われていた医師免許、健康保険証の画像データなどが中国のサーバーに保管されていたことも判明した。ここには一部利用者のクレジットカード情報も含まれていたという。

 

産地ロンダリング

台湾で、メイドインチャイナをメイドインタイワンにラベルを貼り替える産地ロンダリングなどが行われている実態がある。台湾当局も摘発に力を入れているが掌握しきれていないのが現実である。

 

通信の世界

米中の通信覇権攻防を見ていると、通信の世界が三つの分野で揉めているのが分かる。陸の通信、衛星に代表される空の通信、そして海底ケーブルのような海の通信である。そして、米国は中国との海底ケーブルには慎重になっている。米国とつながる出入り口が増えれば、それだけサイバーセキュリティのリスクが高まるからだ。そのため、米国と香港の間の海底ケーブル接続を禁止した。

 

5Gクリーンネットワーク

2020年に米国務省が5Gクリーンネットワーク構想を発表した。5Gクリーンネットワークとは、第5世代通信規格5Gのクリーンなシステムを提供する通信関連企業のことである。米国の通信技術・インフラや個人のプライバシーを懸念のあるベンダーから保護するための新たな指針で、中国共産党とつながりがあるとされる中国企業、つまりファーウェイを念頭に策定された。このネットワークには、信頼できないベンター、通信事業者から5Gネットワークを保護することを約束した30以上の国と地域が参加しており、日本からもNTT、KDDIなどが参加している。


地方分権の奇策

日本に住んでいると、なぜ地方分権が危険なのかピンとこないので地方分権が進んだ米国と比較してみよう。

2020年5月から人種差別運動が激化し、一時は、暴徒がシアトルの一地域を占拠してキャピトルヒル自治区ができた。

それだけでなく、多くの地域で暴動が起こり、これに対して、警察が何もできないのは警察解体運動が展開されているうえに、米国が地方分権で統治されている合衆国であり、州兵は州知事の権限、警察は市長の権限に帰属しているためだ。連邦政府が米国市民を救いたくても武装した連邦職員を派遣するにも州知事が拒否し、連邦政府がそういった地域に入ろうとすると訴訟するような泥沼の状態である。そういったデモ悪化、暴徒による地域占拠は、主に民主党州知事民主党の市長で起こっていた。

日本維新の会が危険なのは、道州制を掲げて地方分権を推進し、北海道独立、沖縄独立運動なども合わせて行なっており、HPにある通り目的は本当に国からの独立で分権自治を目指す市民と連携しているのである。

 

 

技術革新が盗まれる

技術が盗まれているという問題は、安全保障上の問題だけでなく、技術革新が盗まれることで日本の経済成長が阻まれているということである。これを防ぐためには、知財専門捜査機関を創立して取り組むべきである。

日本から技術革新が消えたのは、警察が知財に対する理解が乏しく、被害をどう受け止めていいか分からないという課題もあった。経済スパイ防止法を制定し、会社法改定で経営陣による背任行為の範囲を拡大して、技術漏洩を徹底して取り締まらなければならない。

 

外国人ロビイスト

トランプ時代の米政府は外国人ロビイストの登録や、政策決定に関わるシンクタンクに流れる外国政府や国営企業の資金の流れを明らかにするように求めるなど、外国政府の影響の見える化の努力をしてきた。米国では、民間人が政策提言するのは参加型民主主義なので良しとされているが、同時に透明性も求めてバランスを取ろうとしている。

ところが、日本にはどれだけの外国人ロビイストやロビイ団体がいるのかはっきりしない。

日本政府も国防のために、外国人ロビイストの活動を見える化すべき時が来たと言える。

 

デービッド・アトキンソン 

日本の中小企業にとってのリスクは、菅政権の成長戦略会議のメンバーにデービッド・アトキンソンが起用されたことである。これで、日本の中小企業いじめが始まる。

アトキンソンによると、日本経済の長期低迷の主犯は中小企業、中小企業の数を半分に減らすべきだそうである。

 

地方創生

スーパーシティでキャッシュレス決済が進行し、デジタル人民元が流通し始めれば、中国人が日本円に替える事なく日本でキャッシュレス決済が可能となる。そうなれば、日本の地方経済は徐々に中国に乗っ取られていく。だからこそ、日中間でのスーパーシティ構想での提携は地方創生というキーワードが含まれている。これは、地方経済を中国に売るということを意味している。

 

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