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『「5G革命」の真実 5G通信と米中デジタル冷戦のすべて 』 感想

 

概要

IT業界に従事しながらも5Gビジネスの未来が今ひとつ掴めないという方や、5Gで国際社会が争っているのはなぜか、通信技術はどんなもので、サイバー空間の未来はどうなるのかを理解したい方を対象している。

 

5Gの特徴

5Gの大きな特徴とされるのか以下の三つである。

超高速

超低遅延

多数同時接続

 

サービス

インフラが整ってからニーズが急に伸びるサービスがある。

インフラが先導してくれたおかげで爆発的に普及したサービスとして、2G時代の写メや、3G時代の音楽ダウンロード、4G時代の動画配信などがあげられる。

 

中国製造2025

中国で進められている産業革命「中国製造2025」は、半導体自給率90%を実現して世界の製造大国としての地位を築くことを目標に掲げた取り組みである。アメリカの製造業復興を掲げるトランプ大統領はそれを脅威に感じ、中国は知的財産を世界から盗んでいると批判して、米中は激しく争うようになった。

 

米国防権限法

トランプ大統領が2018年8月に署名した米国防権限法八八九条には、ファーウェイやZTE製の通信機器、ハイテラ、ハイクビジョン、ダーホァ製の監視製品や通信機器の米国政府利用禁止だけでなく、それらの機器やサービスを利用している会社とも取引を禁止するとはっきり書いている。

 

ファーウェイ支持の理由

世界各国のプラットフォーム企業や通信企業がファーウェイ支持を表明したのは、ファーウェイが課金を気にすることなく動画や個人情報を通信すれば、プラットフォーム企業にさらにデータが集まり、ビッグデータを購入したい顧客へのビジネスにつながる。そして、大量の個人データを必要としているのが中国政府で、それが、GAFAやセールスフォース(クラウドサービス提供企業)が中国に忖度し続ける理由の一つである。

 

ドラゴンフライ

グーグルはドラゴンフライという中国向けの検索エンジンを開発している。ドラゴンフライは検索結果を中国政府の望むように操作するだけでなく、検索のために用いたキーワードと検索した個人の情報を紐付けて中国政府に提出する。中国国内の検索結果はすでに中国政府によって統制されているのに、なぜドラゴンフライを開発する必要があるのかというと、中国国内向けではなく、世界で利用させる意図がある。

 

特許数

5Gが実用化すれば、あっという間に4Gのインフラは廃れ、世界中の通信インフラが安価な中国製基地局に席巻されて、中国が世界のデータを手にすることになる。米政府が、中国の5Gの傘に入るなと各国に牽制しているのは、それが理由である。

できれば米国製5Gの傘に入れと言いたいところが、5G技術において米国はかなり出遅れている。5G通信の特許数は35%を中国勢が占め、解放軍と親密な関係にあるホンハイに買収されたシャープも含めれば四割を超える。それに対して、米国企業は14%と、中国に大きく水をあけられている。

 

グローバルIT企業規制

トランプがグローバルIT企業まで規制の対象はした理由は、単純に中国に近いというだけではなく、思想まで共有しているからだ。

IT業界のキーワードはことごとく中国のプロパガンダである。ファブレスは裏を返せば中国製造業の強化。フリーというビジネスモデルはIT業界の中国依存を強めることほかならない。無償サービス(フリー)を受ける人々の蓄積データは膨大な量となり、データセンターコスト増を引き起こす。そのコストを下げるために、高い米国製や日本製ではなく、台湾製や中国製サーバーが爆発的に売れ、IT業界の中国依存を強める結果となったのである。

 

GAFA解体

民主党エリザベス・ウォーレン上院議員は経済、社会、民主主義に対して大きな力を持ちすぎ、中小企業の成長を妨げ、イノベーションを阻害しているとの理由でGAFA解体を主張したが、彼女の指摘は正しい。

振り返ると、世界でもう何年もイノベーションが起きていない。

 

不正競争防止法

日本中のあらゆる技術が中国に盗まれている。ところが、金で唆され、加担しているのは日本人だ。東芝メモリの技術も派遣社員の日本人に盗まれた。東芝不正競争防止法を基に莫大なコストのかかる立証費用をまかなえたからこそ訴訟で勝てたが、中小企業にそんな体力があるはずもなく、不正防止法では中小企業の知的財産を守れない。

 

CASE革命

自動運転になる未来をCASE革命と呼ぶ。CASEとはC=コネクテッド、A=自動運転、S=シェアリング・サービス、E=電動化の頭文字をとったものである。

 

孫正義

2016年7月、ソフトバンクがARM(英国の半導体チップ設計企業)を買収したが、ワシントンの調査会社は孫正義は人脈からして中国政府の傀儡であると主張している。

 

中国が儲かる

八千万台のEV車の電力をまかなうには原発が五基から十基は必要だと言われている。イギリスとフランスは2040年からガソリン車とディーゼル車が販売禁止になるが、英国のEV普及率が九割を超えると、その電力をまかなうには英国が建設を進めているヒンクリー・ポイントC原子力発電所クラスの原発五基が必要になるという試算もある。

イギリスはヒンクリー・ポイントC原発を二基準備することから始めた。それを受注したのは中国国営の原子力企業CGNとフランスの原子力大手EDFである。

EV車で儲かるのは中国の原発ビジネスだけではない。EV車そのものもバカ売れすると中国共産党は踏んでいる。自動車のトレンドがガソリン車からEV車になると、クルマの部品は約三万点から五千点にまで減る上に、エンジンが内燃機関から電動モーターに変わることで制御が簡単になる。要は技術コピーが簡単になる。

 

ファイブアイズ

トランプは、アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドで盗聴した情報や盗聴設備を共有する協定ファイブアイズにファーウェイ導入禁止を求めた。それだけでなく、米国製品や技術をファーウェイに販売すること、大学でのファーウェイとの共同研究も全面的に禁止した。

最初の裏切り者は英国であった。2019年4月23日、英国はファーウェイを排除しない方針というニュースが流れた。

ファーウェイの諜報ネットワークを逆に利用しようと考えているのではないかと思われる。

 

下記書籍参照