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『ゼロコロナという病』 感想

 

概要

本書は感染症学の専門家である木村盛世先生と、リスク心理学や各種の社会指標の時系列データを分析しつつ適切な公共政策のあり方を探る社会工学を専門とする藤井氏とで対話した内容を取りまとめたものである。

 

煽って行きましょう

木村先生がモーニングショーから出演依頼があったが、その時すでに番組関係者はこの話題は長引きますよ。この新型コロナ、ガンガン煽って、ガンガン行きましょうという趣旨のことを言っている。

 

確信的に煽る

モーニングショーの玉川氏は、煽りすぎとの批判を受けて2020年12月14日には煽っていると言われてるくらいでいい。もっと強い手を打っておけばよかったって思うよりは、強めに言っておいて、そうでもなかったというほうがいいと言っている。つまり革新的に煽っている。

 

緊急事態宣言

一回目の時も二回目の時も、そして三回目の時も、いずれも感染日ベースで見ると宣言なんか出す前から感染者数が減り始めていて、ピークアウトした後で、宣言が出されている。つまり、感染者数が減っていくようになるのは、緊急事態宣言を出したことが原因じゃない。宣言なんかとは無関係に、勝手に、自然に感染者数が減っていくのが、日本のコロナの感染拡大・収束パターンである。

 

ひるおび

木村先生はひるおびから、コロナは非常に危険だ。今緊急事態宣言を出さなければ大変なことになるというトーンでコメントしてもらえないかという依頼が来た。もちろん断った。

結局、メディアが木村先生に期待していたのは、厚生省が何もやっていないからこんな事態に至ったのだという厚労省批判である。

 

インフォデミック

インフォデミックとはインフォメーションとエピデミックを合わせた造語で、正しい情報と偽情報が大量に出回り、何が本当で信頼できる情報なのか、見分けがつかなくなる状況を指す。

テレビメディアは、実に巧妙に真っ白とは言えないものやグレーでしかないものを真っ黒のようなものとして誇張して報じるスタンスと取っている。

 

自粛の影響

2020年のGDPに前年比で4.6%落ち込み、リーマンショック以来の下げ幅になる。実に一世帯当たり、所得が60万円下がった計算になる。失業者は50万人増え、特に非正規雇用の多い女性は苦境に立たされている。

このコロナ自粛により、産後うつの可能性がある母親が通常の10人に1人から4人1人、中高生の軽度以上の抑うつ状態が50%強、2020年の自殺者が、前年から912人増加し、2万1081人と11年ぶりに増加した。2021年5月には自殺者が10ヶ月連続で増加していると報道されている。21年4月の全国の自殺者は1799人で、前年の同じ月と比べて19%増えた。

こうした経済被害、うつ病と自殺の拡大は、TVマスコミと政府がコロナを徹底的に煽ったことで広がった自粛によってもたらされた。

コロナ対応が馬鹿げている四つの論点がある。

第一に、そもそも日本では緊急事態宣言による、外出や飲食などの激しい自粛要請が必要だったという合理的根拠がない。

第二に、コロナ病床を増やせば、緊急事態宣言を発出する必要性も自粛や時短の必要性も大幅に低く引き下げられたという点である。

第三に、緊急事態宣言や、自粛や時短はほとんど効果はないというエビデンスがあるということである。

第四に、自粛・時短で、経済が冷えまくっているということである。

 

自粛と感染抑制との関係

自粛と感染抑制との関係を統計的に検証するために、今手元にあるデータを全て使って、感染が広がり始めた昨年の2月19日から、今年の5月25日で、相関係数をとってみたら、相関関係がないという水準のー0.001になる。念の為に実効再生産数と自粛率の変化同士の相関係数をとっても、ほぼゼロという水準。

だから、データを眺めれば、自粛したら感染者数が減るなんて効果は全然存在しない、としか言いようがない。

 

さざ波で自粛要請

OECDのデータによると、人口1000人当たりの病床数は日本が13.0床で、ドイツ8.0床など日本は主要7ヵ国では断トツで病床数が多い。

それにもかかわらず、欧米に比べてさざ波程度の感染者増が起こるたびに医療逼迫するとして緊急事態宣言を発出している現状がある。

日本は約160万の病床があるが、その中でコロナ病床は約3床。つまりコロナ対応病床は全体のたった1.8%である。

 

1類相当

主要な感染症は第1類から第5類まである。

新型コロナウイルスは2020年1月にこの第2類相当に指定された。その後、特措法の改正によって、1類相当になっている。

ちなみに、毎年1万人近くがなくなっている季節性インフルエンザは、第5類に分類されている。

 

 

ハゲタカジャーナル

西浦氏が医学雑誌にGo To トラベルについて発表し、マスメディアなんかでも話題になった論文がある。

だが研究者たちが一斉にこの論文はおかしいって批判した。その論文が載った学術雑誌を調べたら、京都大学の工学部ではその雑誌に載せてはダメだ、と禁止されている、いわゆるハゲタカジャーナルと言われる業者のものだった。そのハゲタカジャーナルというのは、金儲けを主たる目的として論文を載せていくジャーナルというものである。だから内容保証が極めて怪しい。

 

ゼロコロナ

新型コロナウイルスをゼロに近づける、いわゆるゼロコロナというのが、現在の厚生労働省、分科会、日本医師会の方向性である。例えば日本医師会の目指す感染者数は1日100人以下であるが、これは30万人に1人しか風邪にかかってはいけないということで、無茶苦茶な指標設定をしている。

感染症専門家と言われる医師が、五輪開催の前提条件として医療に負担をかけないことを挙げているが、元々、この程度の感染者数で医療逼迫が起こっていることがおかしい。もっと負担がかかっても耐えられる医療体制を目指すのが当然の方向性である。

 

下記書籍