概要
コロナ自粛には大きな副作用が伴う。
昨年の新型コロナの致死率は、陽性者ベースで約1.6%、人口をベースにすればおよそ0.003%(36万人)にすぎない。子どもや若者に至っては、ほとんど死亡リスクはないと言っていい。それなのに、ここまで人々の健康や自由、尊厳、文化を損なう対策を押し付ける必要がどこにあるのか。
当たり前の日常を取り戻すにはどうすればいいのか、7人の医師のインタビューを読めば、答えはおのずと導き出せる。
死亡者数が多い1月
日本人は毎年約120万〜130万人亡くなっているが、月別にすると一番少ないのが6月で、大体10万人である。
一方、一番多いのが1月で14万人。つまり、冬になると死者が4万人増えるわけである。この数字を考えると、新型コロナで毎日数十人亡くなったとしても、この4万人増加の範囲内に収まる可能性の方が高いのではないかと思う。
超過死亡(例年の統計から予測した数字より死亡者が増えること)が出ないということもあり得る。
機動的に対応
日本の医療は機動性に欠ける。一般病床を感染の増減に応じて、柔軟にICU(集中治療室)やHCU(高度治療室)に転換するのが縦の機動性。そして、他科や他施設の医師・看護師をコロナ病棟に派遣したり、医療がまだ余裕のある他地域に患者を移送したりするのが横の機動性。
要因の一つとして、日本の医療機関は民間が8割で、公的医療機関が2割しかないために、政府・厚生省の指揮命令系統が及びにくいことが挙げられる。
ICU病床数
日本医師会の中川会長は2021年1月14日の定例記者会見で、新型コロナ向けの病床を大幅に増やせない理由として、民間病院は公的病院に比べてICU等の設置数が少なく、専門の医療従事者がいないことなどを挙げている。
OECD(経済開発協力機構)のサイトなどで各国比較データを見ると、諸外国と比べてICU病床は少なくない。
しかも日本はICUしか統計に入れていない。だが、他国はHCUも救急病床も入れて統計を出している。日本も救急病床とかHCUを入れれば、そんなに少ないわけではない。
孤独
人間の健康に一番影響があるのは孤独だということも医学ではよく知られている。健康を害する一番の要因は、タバコでも、酒でも、肥満でもなくて孤独や孤立感。社会から隔絶されることが一番健康を害するというのは、データで出ている。でもコロナ禍で人間は、そこに向かおうとしている。
煽って得するのは
コロナを怖いウイルスだとテレビで言っていたある私立医科大学の感染症学の教授が、ワクチン製造販売元のファイザーから2017年度だけで120万円を超える謝礼を受け取っている。
コロナを怖いと煽って、それを引き延ばせば、ワクチンをたくさん打ってもらえるからである。
PCR検査
プライマー(PCR検査でウイルスの遺伝子を検出するために必要なDNAまたはRNAの断片。WHOから新型コロナのPCRに必要なプライマーのセットが7種公表されている)の問題がある。今のプライマーで検出されているRNAが、流行しているウイルスのものとは限らない。
コロナのPCR検査とは、3万個あるウイルスの塩基配列のうち、数百塩基の断片を7ヵ所選び、そこの配列の存在が確認されると陽性になる。そのうち感度が高い3ヵ所は、必ずしも新型コロナに特異的な配列ではない。だから、昔のコロナも拾っている可能性がある。
被害
ウイルス感染をゼロにする方針のままだと、毎年新型ウイルスがやってきて、こんな騒ぎを繰り返すことになる。いつか完全に防げないとわかるはずだが、わかるまで時間がかかればかかるほど被害が大きくなる。
保健所は警察
民間病院や開業医のみなさんが怖がっているのは、コロナそのものじゃなくて、風評である。クリニックでコロナのクラスターが発生したら、終わりである。コロナ感染が起こったら保健所が飛んできて、2週間の停止をくらう。
なぜこういうことが起こるのか。コロナが2類相当だからである。
コロナで保健所が介入して、いいことなんかない。保健所は2類相当だから対応している。インフルエンザと同じように現場の医師の裁量権を認めて、週に何人コロナの患者が出たか報告させるのが良い。
2類相当
コロナの重症化リスクが高い人はすぐに入院できるように、コロナ病床を空けておくべきである。しかし、2類相当であるがために、コロナ陽性の人は重症化リスクが高い人も低い人も関係なく、コロナ病床や療養施設に入れられてしまう。そのため病院が逼迫して、入院すべき重症化リスクの高い人がすぐに入院できなくなってしまった。
死者数
去年1年間で、新型コロナで亡くなった人は3459人である。今年1月に死者が増え、2月に入って7000人を超えたので、すごく増えたと思うかもしれない。でも一昨年(2019年)、日本では約137万人が死んでいる。実は、この137万人を1年365日で割ると、3750人くらいになる。つまり、日本人全体の1日の死亡者数と同じくらいの人が、昨年1年かけてコロナで亡くなった。逆に言うと、昨年、コロナで死んだ人は日本人の全死亡者の1日分にも満たない。
致死率
エボラは感染したら20〜90%の人が死ぬ。コロナは陽性と判明した人だけをベースにしても致死率は1.6%で、その多くが高齢者や基礎疾患のある人である。PCR検査を受けてない人も含めてたら1%にもならない。
医学界の体質
日本の医学界の体質の問題がかなり大きい。1つはデータより偉い人の言っていることの方が正しいと思い込んでいること。
2点目は過度な専門分化。人間を全体として見ない、専門家の先生の言うことの方が医学常識として通用してしまう。
3つ目の問題点が医学の中で人間の心が無視されている。
インフルエンザ
インフルエンザは、例年の死亡者数が3500くらいになっているが、現実には関連死が1万人以上いるとされている。つまり、インフルエンザ感染をきっかけに、心不全といった余病が悪化して亡くなる人が多い。
日本人の国民性の問題点
日本人の国民性の問題点は3つある。
1つ目は、法律に書かれていなくても守らなくちゃいけないと思ってしまう、日本人のかくあるべし思考というか、同調圧力の強さである。
2つ目は、日本という国は命がけで自由を勝ち取った国じゃないということ。
3つ目は、メディアのいうことを疑わない。特にテレビです。
出演者が「医者がみんな自粛しろと言ってるのになんで聞けないんだ」って言っているが、「医者がみんな」ではない。「テレビで出ている医者がみんな」である。
情報番組を見ていると、毎日出ずっぱりのお医者さんがいる。感染症の専門家ならコロナの臨床や研究に忙しいはずなのに、どうして毎日長い時間テレビに出られるのか不思議である。
航空会社
昨年度(4〜12月期)は日本を代表する航空会社であるJALが3000億円、ANAが3500億円の赤字に転落し、危機的状況である。
JALやANAが潰れたら、割りを食うのは地方の県である。例えば、宮崎は飛行機がなかったら東京からいけない。
内側の軸
感染症対策には2つの軸がある。外側の軸と内側の軸である。
外側の軸というのは、自分の外から来る敵であるウイルスを防ごうという対策である。手洗い、マスク、ソーシャルディスタンス、ロックダウン、これらはすべて外側の軸である。それ以上に内側の軸の方が大事だと思っている。つまり、自分の免疫力、抵抗力、解毒・排出力を上げることで、ウイルスに対抗する力を高めようという対策である。
人口当たり
人口当たり見ると、この1年、新型コロナで亡くなった人は、0〜29歳は1668万人に1人、30〜59歳は35万人1人、60歳代は5万3000人に1人である。死亡者の割合が多い70歳代でも2万人に1人、80歳代で5460人に1人である。全年齢で見るとおよそ3万7000人に1人で、10万人あたり3人より少ない。
自殺者
自殺者は全国で2万人強、人口10万人当たり16人が亡くなっているが、過去に景気が悪化したときは3万人を超えて10万人当たり24人(+8)となった。昨年の新型コロナの死亡者数は10万人当たり3人より少ないが、社会活動の制限で景気が悪化すると、3人を守るために8人自殺者を増やすことになりかねない。
コロナ重症病床を拡充
分科会の構成員である経済学者の小林さんや大竹さんたちは、昨年8月の段階で「1兆円を投じることになったとしてもコロナ重症病床を拡充することが急務である」と発信している。
ところが、分科会の公式な発言として、そうした発信は一回もなされなかった。
尾身会長は、ICUや重症病床を増やすべきという発信をしなかったのか。一説は、厚労省や医療界に対して遠慮があると言われている。
厚労省
感染症法と特措法というのが、新興感染症が国内に入った場合の法律だが、その対策は地方が主体となって行うことになっている。ところが、地方自治体が権限を持っている公立病院もごくわずか。多くの病院に厚労省や地方自治体の権限を及ぼない。
厚労省だけに任せていたら、新型コロナ患者の受け入れはキャパ超えする。自分たちだけでできないことは、厚労省が各省庁に頼まなくてはいけない。
ところが、自分たちだけで抱え込んで、精一杯やってますとアピールしている。
監督官庁として、厚労省が頼まなかったら誰も頼めない。それが霞が関の原則である。
医師会
日本医師会の中川会長や東京都医師会の尾崎会長の記者会見を見ていると、「このままでは医療崩壊する」そんなことばかり言っている。
医師たちも、みんな怒っている。
中川会長が理事長の新さっぽろ脳神経外科病院は、新型コロナ患者を引き受けていない。
国防
ワクチンは国防である。
バイオテロに最初に襲われそうになった国はどこか。
日本である。オウム真理教。最終的にはボツリヌス菌のテロを計画して、成功しなかったけれど、それが明るみになって世界を震撼させた。しかし、その当の日本は、そんな経験があるにもかかわらず、ワクチンの開発やRCTによる効果測定などを考えると、かなり後進国である。
転院できない
病状が改善しても、2類相当だと受け入れ先がないから転院できない。それでコロナ病床に重症者がたまって、医療逼迫の一因になっている。
発症から10日過ぎれば、人にうつすことはほとんどないことがわかっている。だから、普通の病院に移していい。それなのに、2類相当にしておく必要があるのか。
結果として
この1年で日本の経済は悪化した。今年2月15日の内閣府の発表すると、2020年のGDPは通年でマイナス4.8%と過去2番目の下げ幅となった。
完全失業率は前年の2.4%から2.8%に上昇。完全失業者数は194万人と前年同月に比べ49万人増えた。厚生省の調べによると、解雇や雇止めされた人は見込みも含め累計9万185人。
文部省の調査によると、昨年4月から12月までに全国の大学・短大を中途退学または休学した学生はおよそ5800人に及んでいる。
10年連続で減少していた自殺者数が昨年は増加に転じた。2020年の速報値は2万919人で、前年より750人増えた。
防接種法
昨年12月2日に改正された予防接種法には、附帯決議がされた。
「新型コロナウイルスワクチンを接種していない者に対して、差別、いじめ、職場や学校等における不利益取扱い等は決して許される者ではないことを広報等により認知徹底するなど必要な対応を行うこと」
下記書籍