スーパースターブログ

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『新聞という病』 感想

 

概要

本書は、変貌するジャーナリストの姿や、本質を見失いつつある世の中のありようをできるだけわかりやすく切り取り、指摘させてもらった論評集である。

 

邦人救出

安保法制では、自衛隊法の改正によって、在留邦人等の保護措置の項目が新設され、在外法人が危機に陥ったとき、それまでの輸送だけでなく、救出・保護を自衛隊ができるようになった。だが、それを行うためには相手国が公共の安全と秩序を維持しており、また、相手国の同意があり、さらには、相手国の関連当局との連携が見込まれるという三条件がつけられている。当然、これらの要件をクリアできず、実際には、自衛隊邦人救出に行けないのである。

 

書契問題

2018年、NHK大河ドラマ西郷どん』を楽しんで観た人もいるだろう。終盤、西郷隆盛が朝鮮の非礼に怒って征韓論を唱え、下野する場面があった。

あれは書契問題に端を発している。1868年、江戸時代を倒した明治政府は、新政権発足の通告と条約に基づく近代的な国際関係の樹立を求める国書を世界各国に送った。応諾の返書が各国から届く中、異様な対応をした国があった。

朝鮮である。清国の従属国だった李氏朝鮮は、日本からの国書の中に「皇」と「勅」という文字があることを発見した。朝鮮は、清朝以外にこの文字を使うことは許されないとして、日本からの国書を受け取りを拒否したのだ。

 

いわゆる「徴用工」判決

いわゆる「徴用工」判決で、お互いの請求権を放棄して「完全かつ最終的に解決した」日韓請求権協定は、日本と韓国との国交が正常化した日韓基本条約の大前提である。韓国の司法は、これをひっくり返した。理由は日本統治は不法、違法であり、そこで行われたことは協定の適用対象は含まれないというものである。

つまり、1910年に大日本帝国大韓帝国との間で結ばれた日韓併合条約が不法、違法であり、認められないというのである。

国家間で交わした条約や約束事を破ることが許されないのは国際常識である。

国連が採択されているウィーン条約法条約に当事国は、条約の不履行を正当化する根拠として自国の国内法を援用(えんよう)することができないと定められている通り、国内法、すなわち自国の事情によって条約等の遵守義務を踏みにじることは、固く禁じられている。

 

レーダー照射

2018年12月20日に起こった火器管制レーダー照射事件とその後の韓国の対応は、この国の歴史と、これまでの日韓関係悪化のすべてが現れた。

同レーダーの照射は、いわゆるミサイルのロックオン状態を意味し、実際にミサイルが発射されれば、乗務員の死に直接つながる危険性がある。

12月28日に防衛省が公開した13分7秒にわたる動画は、確認作業を挟みながら、都合6回も英語で呼びかける自衛隊の声が出ている。

韓国海軍艦艇、韓国海軍艦艇」

「艦番号971、艦番号971」

「こちらは日本国海上自衛隊、こちらは日本海自衛隊

「貴艦のFCアンテナが我々を指向した事を確認した」

「貴艦の行動の目的は何ですか?」

国際ルールに則り、そして2014年に韓国を含む二十一カ国が合意した海上衝突回避規範に合致した呼びかけをきちんとおこなっている。

しかし、2019年1月4日に韓国・国防省が公表した映像では、これに実に姑息な編集が加えられた。

「貴艦のFCアンテナが我々を指向した事を確認した」「貴艦の行動の目的は何ですか?」という決定的な音声はカットしているのだ。

 

オバマ氏広島訪問

森重昭さんこそ、オバマ氏を広島に呼び寄せた、最大の立役者とも言える人物だった。

サラリーマン生活のかたわら、森さんが40年以上にわたって、被爆死した12人の米兵捕虜のことを調べ上げた人物である。

森さんによって明らかにされた事実は、地元メディア・広島テレビオバマへの手紙キャンペーンで集まった広島市民の手紙とともに二年前にホワイトハウスに持ち込まれた。

これまでアメリカ大統領の広島訪問が叶わなかったのは、全米最大の圧力団体であるアメリ在郷軍人会の反対があったからである。

広島からは「米兵12名を含む全犠牲者への追悼と核廃絶への祈りを広島で発してください」という願いが届いたのである。アメリ在郷軍人会が大統領の広島訪問に反対できない形を広島の人々がつくり上げたのである。

 

 

朝日は国際社会に向けて訂正を

2016年2月にジュネーブでの国連女子差別撤廃委員会で、外務省が初めて公式に軍や官憲(かんけん)によるいわゆる強制連行を否定するまで広がるがままにされていた。その間に、国連でクマラスワミ報告が出され、日本軍に強制連行された「慰安婦=性奴隷」という誤った認識が世界に流布された。

慰安婦は性奴隷ではない。慰安婦とは業者によって当時の兵隊の数十倍の給与を保証されて募集された女性たちである。

この誤った認識は朝日新聞の報道に大きく関わる。

吉田清治なる人物の虚偽証言を長期間にわたって記事にしたことである。

 

尖閣

1971年、尖閣の主権は、ニクソン政権下の公聴会で「どの国の主張にも与しない」とされた。しかし2010年、中国漁船衝突事件の際、クリントン国務長官が第五条を「尖閣にも適用される」と明言し、2012年、米上下両院が尖閣は第五条の「適用対象である」と明記した国防権限法案を可決した。中国はこれに断固反対すると発表した。

つまり中国は尖閣の領有権について、アメリカをニクソン時代まで押し戻し、さらに第五条の適用外まで持っていかなければならない。

 

命と憲法

湯川さんと後藤さんの命を「イスラム国」によって奪われた。

この事件によって、国会であらためて浮上したのは邦人救出問題である。今回、産経や読売いずれも在留邦人の命を守るための法整備を急げ、という提言である。

しかし、これに意を唱えたのが朝日である。憲法議論を封じる得意の先送り論を展開して、真っ向から反対した。

命よりも権利が優先する本末転倒した理論は、戦後ジャーナリズムの特徴的な傾向である。

 

地震報道

平成二十八年熊本地震で新聞にとって大切なのは自分たちの主張なのかと呆れる。

典型例が、オスプレイ報道である。安倍首相が「米軍から航空機輸送について、実施可能との連絡を受けました」と表明した。

地震は道路の寸断をもたらし、山間部では孤立化する集落が続出する。そこで威力を発揮するのは、滑走路の必要がない垂直離着陸機である。米軍でいえば、オスプレイになる。

毎日には、佐賀の主婦が登場に、「(オスプレイの国内配備のために)どんな状況でも利用するのか」とコメントしていた。しかし、その主婦が実は、反原発原告団の代表だったことがわかった。

自らの主張のためには、紙面に活動家が単なる主婦として登場したりしている。

純粋に被災者の利益を考えるのか、それとも政治的イデオロギー固執するのか。

 

二重国籍

日本の国籍選択は、国籍法第十四条によって規定されており、二重国籍は認められていない。また、外務公務員には外務公務員の欠格事由の項目があり、二重国籍は戒められている。

しかし、蓮舫氏は、二重国籍を隠したまま、参院議員に三度当選した。2004年の参院選選挙公報には1985年、台湾籍から帰化と書かれており、これは公職選挙法の経歴詐称にあたる。

かつて蓮舫氏は、二重国籍を隠すことなく、堂々とこれを表明していた。つまり、蓮舫氏はうっかり手続きを怠っていたのではなく二重国籍を認識し、その上で国会議員となり、閣僚になっていたのである。

 

国際常識

国連加盟百九十三カ国のうち、93.3%にあたる百八十二カ国が締結している国際組織犯罪防止条約がある。

これを締結していない国は十一カ国である。先進国では日本だけである。

この条約を締結するためには、重大犯罪を行うことを共謀する罪か、もしくは組織的犯罪集団に参加する罪のいずれかを国内法で制定しておかなければならない。しかし、日本では、過去3度も廃案になり、いまだにその法律がない。

その中心で旗を振っているのは、新聞である。

国民の命を守ることを新聞はどう考えているのだろうか。

 

福島の復興

新聞は、福島の復興を促進しているのだろうか。

毎日または朝日は、福島が元に戻ることよりも、行政糾弾に主眼が置かれている。

一方地元紙は違う。福島民友には、毎朝の紙面に必ず県内全域390ヵ所での放射線量の測定数値が載っている。

同紙には、客観的データこそ風評被害に打ち勝つ力がある、という信念が感じられる。

 

働き方改革法案

「悔し涙が出た」。働き方改革法案が衆院厚生労働委で可決された5月26日の朝日・毎日の紙面には、そんな過激な言葉が踊った。

一面、社会面、論説面をぶち抜いて、働く側の過労死を助長する法案が強行採決で通った、と報じてた。

だが、読売や産経を読むと、趣きが異なっている。

高度プロフェッショナル制度は、高収入の一部専門職を労働時間の規制から外すものだが、同じように過労死遺族の怒りの談話を紹介しつつ、同制度で利益を受ける側の話も出ている。

読売には50代の弁理士が登場し、これまで深夜や週末にまとめて仕事をしたくても割増賃金となるため経営側から疎遠され、思い通りにならなかったという。

適用は本人同意が必要との従来の内容に加え、新たに離脱規定も設け、本人の意思でいつでも離脱できるようになったことが記事では解説されている。

つまり、加入も離脱も本人次第で、自分に有利と思えば適用を受け、嫌になればいつでも離脱できる自分に特になる方式を自由に選択できるものだという。

 

失言

大臣の就任会見は、スクープとは無縁の記者たちにとって、質問で失言を引き出し、名を上げる絶好の機会である。

彼らは、なぜそれほど大臣の首を取りたいのだろうか。どうして日本をそれほど貶めたいのだろうか。浅薄な正義感のもとに、すっかり倒閣運動家と化している。

 

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