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『天皇という「世界の奇跡」を持つ日本』 感想

 

概要

本書は、日本に長く住む外国人として、そして戦後の日本社会を大きく左右してきた戦勝国アメリカの法律家として、天皇と日本の関係について考察したものである。

 

全国を巡幸

産経新聞が1995年8月8日から連載した戦後史開封には、以下のような巡幸のエピソードが書かれている。

昭和22年8月には15日間にわたって東北をご巡幸になった。(昭和)天皇の洋服がみすぼらしいため、侍従の入江相政(すけまさ)が「米国人も見ていますので」と背広の新調をすすめたところ、「米国は戦争に勝って裕福なんだからいい洋服を着ても当たり前である。日本は戦争に負けて(国民は)着るものにも不自由しているのだからいらぬ」と断られた」

仁徳天皇の民のかまどの話を地で行くようなエピソードである。

 

コミンテルン

ロシア革命によりロマノフ王朝を倒したレーニンは、世界中に共産革命を起こし、共産主義を地球規模に拡大しようと目論んだ。そのためレーニンは、ソビエト連邦の建国に先立つ1919年、コミンテルンを設立している。このコミンテルンは、アメリ共産党や、中国共産党の設立や活動を支援した。

1922年から続く日本共産党のルーツは、コミンテルン日本支部である。

 

アメリカ独立

アメリカ合衆国は、北アメリ東海岸のイギリス領十三植民地が、本国イギリスと戦って独立した国である。きっかけは、植民地アメリカに対するイギリス本国の、課税と支配の強化である。1763年、フランスとイギリスが北アメリカの領土をめぐって戦ったフレンチ・インディアン戦争終結した。国王ジョージ三世とイギリス議会は、その戦費を植民地への課税で賄うと一方的に決めた。これに対し、独自の発展を進めてきた十三植民地は、自治権を求めて本国に抵抗し、大陸会議を開催して結束した。この対立が独立戦争へと発展し、イギリス本国の正規軍との戦争にアメリカ側が勝利して、独立を勝ちとった。

 

ローマ教皇

ローマ・カトリック教会の最高位聖職者であるローマ教皇は、世界の全カトリック信者のトップである。

ローマ教皇は全カトリック教会の首長という宗教的権威を有する独自に、世界最小の独立国家バチカン市国の元首という立場にもある。

世界に12億人といわれる信者を抱えている。世界に広がるカトリック教徒のネットワークはアメリカのC I Aをも凌ぐといわれている。

 

イギリス王室

イギリス王室は皇室同様、王位の継承は世襲制であるが、筆者はまったく異質に見えている。

その理由として、イギリス王室は連続していない。過去に何度も途絶えている。17世紀のピューリタン革命では、国王の処刑で王政が廃止され、イギリスは一時的に共和政になっている。18世紀にはステュアート朝の王位継承者がいなくなり、王室の遠縁にあたるドイツのハノーヴァー家から国王ジョージ一世を迎え入れている。ジョージ一世は英語をまったく理解することができず、国政にも関心をもっていなかった。

 

功罪

1946年に発令された覚書「ある種類の政党、協会、結社その他の団体の廃止」と「好ましくない人物の公職よりの除去」、いわゆる公職追放は失敗であった。日本の既存の政治勢力や統治階級を根こそぎ追放することで、さまざまな要職に空白地帯が生まれ、そこに大量の共産勢力が流れ込んだ。いまでも教育界やマスコミ、労働組織が真っ赤に染まっているのは、そのためである。

 

検閲

WGIPには、大きく分けて四つの柱がある。その一つに、プレスコードによる情報統制である。

プレスコードは、検閲によるメディア情報のコントロールがある。

しかも、このプレスコードは現在も生きている。

日本のマスコミは政府の批判、日本の悪口を言い続けることに終始している。普通の国では、政府の政策に対しては是々非々で、誉めたり叱ったりするものだが、日本のマスコミの場合は、自国の政府を誉めることがない。

ちなみにGHQ検閲に秘密裏に協力した日本人検閲官5100人余りのリーダー格だった人物が、戦後のN H K初代会長に就任した高野岩三郎である。

 

A級戦犯」はいない

1953年8月3日、衆議院本会議で可決した「戦争犯罪による受刑者の赦免に関する決議」によって、日本には、いわゆる「A級戦犯」のみならず、戦争犯罪人は法的に存在しなくなっている。だから、「A級戦犯」という汚名を着せられた人たちの靖國神社への合祀を問題視すること自体が、歴史的事実や国会決議、さらに法治主義を軽視した感情的発言である。

 

ポツダム宣言

ポツダム宣言の第十三条には「われわれは日本政府が全日本軍の即時無条件降伏を宣言し、またその行動について日本政府が十分に保障することを求める」とあり、無条件降伏の対象は日本軍に限定されているというのが歴史的事実である。

 

憲法

憲法とは、改正の手段はどうであれ、時代や現実の変化に応じて柔軟に改正していくべきである。そうしなければ、憲法は国の骨格であるがゆえに、政治体制あるいは国家体制そのものが崩壊してしまうリスクがある。

 

打倒の対象

天皇制という言葉は、コミンテルンの造語であり、戦前、日本共産党に伝えられ打倒の対象とされた。

日本共産党にとって天皇制は廃止すべき対象だったため、国会の開会式を欠席していた。1月の通常国会の開会式には、毎年天皇陛下の「おことば」を賜ることが恒例になっていたが、日本共産党はそれを拒み続けてきた。

2016年1月、日本共産党として初めて、国会開会式に出席した。その狙いは野党共闘にあるのが明白である。

 

天皇に会いたがる

中国は天皇の存在をことのほか重視している。毛沢東は、日本の要人が訪中すると、必ず「天皇陛下によろしく」とメッセージを送ったという。日本の首相はすぐに変わるが、天皇は変わらない。しかも、天皇はすべての国民の尊敬を集めている。だから、日本人の心を掌握するには天皇を否定的に見るのではなく、取り込んだ方が得策だということを熟知していたのである。

 

元号

日本で広く使われている元号だが、なぜ西暦ではなく元号が使われているかといえば、日本では1872年に布告された改暦ノ布告で新しい暦として太陽暦が導入されたとき、同時に紀年法として神武天皇即位を紀元とすることが定められ、また1979年に元号法が制定されていることが根拠になる。つまり、西暦は日本においてはなんの法的根拠もなく、それゆえ、戸籍や婚姻、出生、死亡といった公的資料において元号が使われている。

 

天皇を知ろう

天皇は神話時代も含めると、約2700年という長い歴史を紡いできた日本という国の象徴である。歴史の縦軸である天皇を知らないということは、国籍と民族は日本人なのに、日本という国の根本を知らないということにもなる。結果として、日本の文化や伝統、日本人としての美徳や価値観を何とも思わない、根無し草のリベラルが量産されてしまう。

 

下記書籍参照